エンドポイントAI機器、JPEG XSコーデック、60GHz帯無線通信の組み合わせにより、高品位なリアルタイム映像伝送を実現
エンドポイントAI機器、JPEG XSコーデック、60GHz帯無線通信の組み合わせにより、高品位なリアルタイム映像伝送を実現
Belgium,Mont-Saint-Guibert, 18 January 2022 -intoPIX SA、株式会社フジクラと株式会社テラピクセル・テクノロジーズの３社は、60GHz帯ミリ波無線通信を用いた高精細・超低遅延リアルタイム映像伝送の共同実験に成功したことを発表しました。
Society 5.0（*1）やIndustry 4.0（*2）の実現に向けて、近年、さまざまな職場や工場における危険検知や遠隔操作など、リアルタイム性が求められる映像アプリケーションの需要が高まってきています。特に、設置の自由度が高く、モバイル機器への組み込みが可能なリアルタイム無線映像伝送装置の需要が高まっています。
本実験では、テラピクセル社が開発中のエンドポイントAIデバイス(*3)とintoPIXが開発した低遅延JPEG XS(*4) IPと、フジクラ社が開発した60GHz帯ミリ波無線通信モジュールと組み合わせ、屋内外の実環境で映像伝送を行いました。
その結果、高画質（フルHD：1920×1080、60fps）、超低遅延の映像伝送に成功しました。これは、エンドポイントAIデバイスに内蔵された「JPEG XS」符号化と60GHz帯ミリ波無線通信モジュールの以下の特徴を組み合わせることで実現されました。
エンドポイントAIデバイスに組み込まれた「JPEG XS」のコーディングの特徴。
- 低レイテンシー圧縮/伸長（0.5ms以下）
- 軽量なHD/4K/8KコーデックIPによる高画質ビジュアリーロスレス映像: TicoXS
60GHz帯ミリ波無線通信モジュールの特長。
- 光ファイバーに匹敵する高速通信（3Gbps以上）を実現
- 低伝送遅延(2ms程度)
工場など様々な現場でスマート化を進める企業のお客様を対象に、最先端のミリ波映像伝送製品・サービスの開発を共同で進めていきます。低コストで高速なネットワーク構築が可能な免許不要の60GHz帯通信システムと、低遅延で高品質な画像処理とAIによる画像認識を可能にするエンドポイントAI装置を組み合わせることがポイントです。
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株式会社フジクラについて
株式会社フジクラは1885年の創業以来、電線・ケーブル事業で培った「つなぐ技術」を通じて、エネルギー、情報通信、エレクトロニクス、自動車電装の4事業分野において、信頼性の高い製品・サービスを提供しています。
現在、同社は新規事業として、ミリ波無線通信分野に取り組んでいます。フェーズドアレイアンテナ設計、フレキシブルプリント基板製造、電磁界解析などの独自技術を駆使し、60GHz帯および28GHz帯のミリ波デバイスを開発中。
コーポレートwebsite: https://www.fujikura.co.jp/eng/
ミリ波関連製品website: https://mmwavetech.fujikura.jp/
株式会社テラピクセル・テクノロジーズについて
2014年に設立された株式会社テラピクセル・テクノロジーズは、新横浜を拠点にシステム開発、半導体開発、受託開発などを主に行っているベンチャー企業です。
最先端の半導体プロセス（7nm、5nm）とシステムの開発力を生かし、顧客へのOEM供給などの事業を展開しています。創業以来、イメージングアプリケーションに取り組んできた豊富な経験を活かし、現在最もホットなアプリケーションの一つであるエンドポイントAI向けのデバイスや半導体の開発を進めています。
コーポレートwebsite: https://www.terapixel.co.jp/en/
用語の説明：
*1 Society 5.0：サイバースペース（仮想空間）とフィジカルスペース（現実空間）を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立させる人間中心型の社会。
*2 インダストリー4.0：第4次産業革命と定義され、スマート工場を中心としたエコシステム（企業、製品、サービスが相互に依存し合うビジネス環境）の構築に重点が置かれている。
*3 エンドポイントAIデバイス：ネットワークの末端の装置内だけでAI処理（画像認識、推論など）を完結させるプロセッサ。
*4JPEG XS：国際標準化機構（ISO）と国際電気標準会議（IEC）の合同作業部会であるJPEG 委員会が作成した画像圧縮技術の国際規格（ISO/IEC 21122）。低遅延、低複雑度の符号化方式により、視覚的にロスのない画像圧縮が実現されている。
